南八甲田山の中腹に湧く名湯
「蔦(つた)温泉」は南八甲田山連峰、乗鞍岳の東麓の青森県十和田市大字奥瀬にある温泉です。
東北自動車道十和田インターから車で約90分、ブナの原生林が生い茂る十和田樹海の山奥の中に温泉が湧いています。
「蔦の七沼」と呼ばれる大小7つの沼があって遊歩道が整備され、散策やトレッキングの名所となっています。
「蔦温泉」は南八甲田山の中腹、山奥深くの温泉の為、冬季は積雪が多く、現地に至る道路が通行止めになります。
「蔦温泉」の由来は当地に蔦(つた)植物が沢山自生していた事から名付けられたといわれています。
「蔦温泉」の開湯時期ははっきりわかりませんが、その歴史は古くて久安3年(1147年)には既に湯治小屋があったとの事です。
「蔦温泉」は文豪の大町桂月が愛した温泉として知られており、大町はたびたび訪れて、晩年はこの地で生涯を終えています。
大町の墓前には「極楽へ越ゆる峠の一休み蔦の出湯に身をば清めて」と辞世の句が刻まれています。
蔦温泉旅館
「蔦温泉」には現在「蔦温泉旅館」なる一軒宿の旅館があり、明治42年(1909年)に営業を始めました。
「蔦温泉旅館」は大正7年(1918年)に本館が完成し、昭和35年(1960年)に別館が新築されました。
旅館には時間帯で男女入替で入浴する「久安の湯」と男女それぞれ内湯がある「泉響の湯」の2つの温泉があります。
2つの温泉は源泉が湧出するまさにその地点で造られた風呂で、風呂の下から温泉が自噴しており、「久安の湯」では浴槽の板張りの底から泡が噴き出しているのがわかります。
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