温泉の種類
火山の国とも呼ばれる日本では全国に三千近く温泉があるといわれています。それらの温泉は地質や地層によって性質が異なり、多少似ているものがあっても全く同じという事はありません。温泉の種類は次のように分類されます。
温度・・・冷鉱泉(25℃未満)、低温泉(25℃以上34℃未満)、温泉(34℃以上42℃未満)、高温泉(42℃以上)
浸透圧・・・低張泉(8g/kg未満)、等張泉(8~10g/kg未満)、高張泉(10g/kg以上)、等張液とは人間の細胞液と同等の浸透圧の液体を指す、具体的には塩化ナトリウムの0.9%溶液(生理食塩水)で、8.8gの食塩を1リットルの水に溶かした食塩水
pH値(水素イオン濃度)・・・強弱酸性泉(pH2未満)、酸性泉(pH2~3未満)、弱酸性泉(pH3~6未満)、中性泉(pH6~7.5未満)、弱アルカリ性線(pH7.5~8.5未満)、アルカリ性泉(pH8.5以上)
泉質・・・単純温泉、二酸化炭素泉、炭酸水素塩泉、塩化物泉(食塩泉)、硫酸塩泉、含鉄泉、硫黄泉(硫化水素泉)、酸性泉、放射能泉
泉質の種類
単純温泉・・・成分量が少ないので体に対する刺激が少なく入浴しやすい / 二酸化炭素泉・・・炭酸ガスが溶け込んでいる / 炭酸水素塩泉・・・炭酸水素塩を主成分とし、美人の湯ともよくいわれる / 塩化物泉・・・食塩を含む温泉 / 硫酸塩泉・・・硫酸イオンを含む苦味のある温泉 / 含鉄泉・・・鉄分を含む温泉で、空気に触れると酸化して茶褐色になる / 硫黄泉・・・硫黄を含む温泉で臭いが強い / 酸性泉・・・酸が強くて肌に刺激がある温泉 / 放射能泉・・・ラドン、ラジウムなどの放射能を含む温泉
温泉の種類や泉質には専門用語が並んでイマイチ理解しづらいかもしれませんが、なんとなくでも特徴を覚えておけば温泉に入る楽しみも倍増します。温泉は観光、食事、宿泊と組み合わせて今では旅行の一部になっている事が多いですが、昔は湯治又は湯治旅として温泉に入る事は大きな行事の一つでした。江戸時代には自分の居住地域の領地以外に出掛ける事は滅多に許されず、唯一許されたのが参拝や湯治といったものでした。人々は効能の高いといわれる草津や有馬の温泉に何日もかけて歩いていき、現地ではありがたい気持ちで湯に浸かったようです。
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