奥飛騨温泉郷とは
「奥飛騨温泉郷」は岐阜県高山市の「平湯温泉」、「福地温泉」、「新平湯温泉」、「栃尾温泉」、「新穂高温泉」の5つの温泉地です。温泉郷全体では毎分44000リットルの湧出量、100箇所以上の露天風呂があります。
奥飛騨の風景2 Scenery of Okuhida / “KIUKO”
平湯温泉
「平湯温泉」は「奥飛騨温泉郷」の中では最も古い温泉で、開湯は戦国時代にまで遡ります。武田信玄配下の山県昌景の軍勢が飛騨を攻めている最中に、湯に浸かって傷を癒していた猿を見つけたのが開湯の始まりとされています。泉質は炭酸水素塩泉、塩化物泉、源泉数40、毎分13,000リットルの湧出量の温泉で、宿泊施設は25軒ほどあり、昭和39年(1964)に国民保養温泉地に指定されています。
福地温泉
「福地温泉」は「奥飛騨温泉郷」の一つで、標高1,000メートルの山間の静かな温泉地です。5つの温泉地の中では最も規模が小さい。村上天皇が湯治に来たので、天皇泉とも言われています。泉質は単純泉、炭酸水素塩泉で、源泉数30以上の温泉です。平湯温泉から車で約10分。
新平湯温泉
「新平湯温泉」は焼岳の西麓、奥飛騨温泉郷の中心に位置しており、5つの温泉郷の中では最大規模です。平湯温泉から車で約15分の山間地、栃尾温泉の手前にあります。国道471号線沿いの約3㎞に渡って旅館やホテルが点在しています。泉質は単純泉、含重曹食塩泉。開湯の時期は定かではありませんが、出雲の旅人が垂間水の近くで蜻蛉神(とんぼのかみ)に温泉を教えられたのがはじまりとの伝説があります。昭和43年には奥飛騨温泉郷の一部として国民保養温泉地に指定されています。
栃尾温泉
蒲田川と平湯川の合流点にある温泉郷で、トチノキが多く生えていた事からその名が付いたといわれています。昭和43年、国民保養温泉地に指定。栃尾温泉観光協会が運営する無人の共同露天風呂「荒神の湯」では寸志(200円)で入浴する事ができます。県道475号線沿いの河川敷に温泉があり、更衣室の前の料金箱に寸志を入れて入浴します。露天風呂は10人程度が入浴できる岩風呂が2つありますが、管理の都合上1つしかお湯が張られていない事が多いようです。露天風呂からは川が見えて周囲の山間の景色が美しく、自然の中で一体となった風呂が楽しめます。
新穂高温泉
奥飛騨温泉郷の最奥に位置する「新穂高温泉」は新穂高地区、中尾地区、蒲田地区の3地区に分けられ、各々源泉が異なります。泉質は硫黄泉、単純泉。温泉地の奥にには新穂高ロープウェイの発着駅があり、槍ヶ岳・穂高岳への登山の入口として数々の登山客が利用してきました。蒲田川沿いに旅館、ホテルやペンションが点在し、白樺林もあってさながらリゾート地の雰囲気です。源泉は蒲田川の川底から湧出しており、公共の露天風呂「新穂高の湯」は巨石で作られた岩風呂で、寸志(200円)で入浴できます。開湯の時期ははっきりわかりませんが、戦国時代には武田信玄の配下が入浴したとも伝えられており、また江戸時代の1841年(天保12年)には地役人の山崎弘義が蒲田地区の温泉に入浴したとの記録があります。
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