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登別温泉(北海道登別市)【由来・歴史】

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登別温泉は日本屈指の温泉地

「登別(のぼりべつ)温泉」は北海道南西部の太平洋岸の登別市にある温泉地で、温泉の自然湧出量は1日1万トン、泉質は11種類と量質共に大規模な温泉です。

毎年300~400万人もの観光客が訪れる日本屈指の温泉地で、観光客数においては箱根温泉有馬温泉草津温泉など日本を代表する温泉にも引けをとりません。

札幌市から車で約1時間、新千歳空港からも約1時間とアクセスも良いですが、温泉地は爆裂火口の跡地である「地獄谷」があり、周囲が国の天然記念物である「登別原始林」に囲まれた広大なカルデラ地帯となっており、大自然の宝庫です。

地獄谷
Jigokudani Hell Valley Paranoma / by kevinpoh

「登別」の由来

「登別温泉」の「登別」はアイヌ語の「ヌプルペツ」から来ており、「白く濁った川」や「色の濃い川」を意味しています。

北海道にはかつて先住民族としてアイヌ民族が住んでいましたが、現在の登別付近でもアイヌが居住していて温泉を利用していたようです。

「登別温泉」地域で湧出する豊富な温泉は川の水と混じって川の色が変わるほどで、アイヌ民族は温泉が流れる登別川の支流を「クスリサンペツ」(=薬湯の川)と呼んでいたようです。

登別温泉
登別溫泉 / by Jason

登別温泉の歴史

「登別温泉」が温泉地として開発されるようになったのは江戸時代末期です。

安政4年(1857年)に近江商人の岡田半兵衛が硫黄を採取するために登別への道路を建設する工事をして、硫黄採取の産業を育成すると共に現地に共同浴場を開設したのが温泉地としてのはじまりです。

それまではアイヌ民族に細々と利用されているだけでしたが、北海道の探検家として知られる最上徳内や松浦武四郎によって既に「登別温泉」の存在は知られていました。

弘化2年(1845年)には「北海道」の名付け親である松浦武四郎が訪れており、「蝦夷日誌」の中で大自然に囲まれた秘境ともいえる登別に効能の高い温泉がある事を紹介しています。

また、最上徳内は「蝦夷草紙」の中で「温泉水が川に流れ込んで川底が見えないほど濁っている」と登別の温泉を記しています。

登別温泉
登別溫泉 / by Jason

道路開通後は徐々に開発が進み、滝本金蔵は現在の「第一滝本館」の前身となる温泉宿を開き、私費で道路の整備を行いました。

大正4年(1915年)には軌道馬車、大正7年(1918年)に蒸気機関車、大正14年(1925年)には電車が整備されるなど交通事情は大幅に改善されました。

現在では温泉宿が多数立ち並び、土産物店や観光施設が集まり、全国有数の温泉地として発展しています。

登別温泉の日帰り入浴・温泉

温泉の自然湧出量1日1万トン、9種類の泉質がある登別温泉には日帰り入浴ができる温泉施設が数多くあります。

第一滝本館、登別石水亭、登別グランドホテル、登別万世閣、登別ゆもと登別、花鐘亭はなや、夢元さぎり湯、旅館四季、新登別温泉荘、ホテル岩井、鈴木旅館、湯元オロフレ荘、森の湯山静館、いずみヴィラなどです。

第一滝本館は1,500坪の敷地、5,000平方メートルの浴室、7つの源泉と男女合計35の風呂を備える宿泊温泉施設です。

宿泊施設ですが日帰り入浴も可能で、昼食券が付いた「湯~らんチケット」も販売しています。

登別石水亭は旅館2棟の最上階にある浴場が自慢です。

辛夷(こぶし)館の最上階には大浴場、銀杏館の最上階には空中露天風呂があり、それぞれ四季折々の景色が最上階から眺める事ができます。

登別グランドホテルは創業昭和13年の祝いの宿と称される老舗旅館です。

館内は高級な洋風旅館といったデザインで、ドーム型大浴場と滝が流れる和風庭園露天風呂があります。

昭和29年に天皇・皇后両陛下が宿泊されており、以来登別の迎賓館とも呼ばれています。

登別万世閣は登別温泉の玄関口、バスターミナル前にある総客室200室の大型リゾートホテルです。

日帰り入浴も受け付けており、ランチやディナーとセットになった入浴プランもあります。

男女共に大浴場、露天風呂、ジャグジー、サウナ等があり、宿泊者と同様に巨大ホテルの入浴が楽しめます。

花鐘亭はなやはバスターミナルから徒歩5分ほどの白濁色の硫黄泉がある旅館です。

男女共に露天風呂と内湯があり、昼食付きプランや別料金で休憩用に客室も利用できます。

夢元さぎり湯は登別温泉街の中心地にある唯一の日帰り温泉の共同浴場です。

硫黄泉と明礬泉の2種類の源泉かけ流しの温泉が楽しめる施設で、早朝から夜遅くまで利用可能です。

温泉街で他の旅館・ホテルに宿泊した観光客も訪れる人気の温泉となっています。

旅館四季は温泉街から離れた山奥にある家族経営の旅館です。

地獄谷の奥の奥湯沼から汲み上げている硫黄泉を泉源としており、檜造りの内湯と山奥の大自然に囲まれた露天風呂があります。

旅館四季の近くには新登別温泉荘があり、こちらは7月、8月だけの夏季限定の営業です。

旅館四季の経営者の兄弟が営業しているそうで、山奥の自然に囲まれた手づくりの露天風呂が楽しめます。

登別温泉観光マップ

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