下田の奥深くの秘境温泉地
「観音温泉」は伊豆半島南の下田市北部にある山々に囲まれた源泉かけ流しの温泉です。「観音温泉」の開湯は1967年(昭和42年)とされ、「観音温泉」の創業者小林氏が下田の山奥の山林を買い取って温泉掘削に成功したのがはじまりです。1963年(昭和38年)に掘削を開始してから4年をかけて堀続けた結果にようやく掘り当てた源泉は、地下600mから湧出する泉温51℃、pH9.5の強アルカリ性単純泉です。pH9.5以上の強度のアルカリ性単純泉の超軟水で、温泉はヌルヌル、スベスベといった肌触りで美肌の湯として知られています。
温泉は飲用も可能で浴場には飲泉場もあり、温泉をペットボトルに詰めた温泉水の販売も行っています。ちなみに、温泉水はナチュラルミネラルウォーターとしてモンドセレクションで最高金賞を受賞しています。
観音温泉は1軒の屋号
「観音温泉」と呼ばれる温泉は実は1軒しかなく、その1軒の屋号が「観音温泉」となっています。しかし、1軒とはいえども50万坪の敷地を有し、宿泊施設が離れ「産土亭(うぶすなてい)」、全室露天風呂付きの宿「ピグマリオン」、本館、正運館の4棟と日帰り温泉施設「観音プリンシプル」が1棟あります。「観音温泉」は実は温泉宿の呼称であって温泉地の名称というわけではありませんが、その泉質が評判となって温泉地名として扱われるほどになっています。
「観音温泉」の由来
「観音温泉」の創業者は元は東京でタクシー会社を経営していた実業家でしたが、未開発の下田の山林で温泉開発を始めました。創業者の夢枕に観音様が現れて「ココ掘れ」とばかりにお告げがあったそうで、山奥でひたすら掘り続けたといいます。あるとき掘削していた土中から五寸ほどの観音様の像が出土された事が「観音温泉」の命名の由来とされています。出土された観音様は浅草の浅草寺に奉納され、代わりに新たな観音像を授かりましたが、宿の玄関の祠に祀られています。
宿泊と日帰り入浴
「観音温泉」は全室に露天風呂が付いた観音温泉ピグマリオンや総檜風呂のある本館といった宿泊施設がメインですが、観音プリンシプルや観音乃湯ガラティアでは日帰り入浴ができます。宿泊となると1泊数万円とどうしても敷居が高いのは否めませんが、日帰りなら千数百円ほどで極上の泉質の温泉を同じように楽しむ事ができます。観音プリンシプルは平成22年10月にオープンした日帰り温泉施設で、内湯、露天風呂、バイブラバス、足湯、ミストタイプの低温サウナなどがあります。入浴料は大人平日1300円、休前日1,500円、子供平日700円、休前日800円。自家源泉かけ流しのpH9.5の強アルカリ性単純泉で、飲泉も可能です。硬度0.7mg/Lの超軟水の観音温泉水は清涼飲料水として許可を取得しており、2011年のモンドセレクションで最高金賞と国際優秀品賞を受賞しています。
コメント