旧常磐湯本温泉・ 磐梯三美人湯
「いわき湯本温泉」は福島県東南部のいわき市の常磐線沿線で最大規模を誇る温泉です。
かつて栄えた常磐炭田の地下の炭坑から毎分5トンの湧出量の泉温59℃の天然硫黄泉の源泉を汲み上げてます。
汲み上げられた源泉は地下に張り巡らされた管で温泉宿泊施設などに配湯されています。
駅のホームにも温泉が湧いている湯本温泉駅から徒歩5分ほどに温泉街があり、現在二十数軒の宿泊施設が建ち並んでいます。
温泉地は映画「フラガール」の舞台となった事でも有名で、温泉娯楽施設の「スパリゾートハワイアンズ」も営業しています。
又、「月岡温泉」、「磐梯熱海温泉」と共に「磐梯三美人湯」とも称しています。
共同浴場「さはこの湯」
1995年にオープンした共同浴場の「さはこの湯」は江戸末期の建築様式を再現した建物が魅力で、風呂は岩風呂の「宝の湯」と檜造りの「幸福の湯」を備えています。
ちなみに「さはこ」とはかつて温泉があった一帯を「佐波古」と呼んでいた事に由来します。
いわき湯本温泉の歴史
「いわき湯本温泉」の開湯は奈良時代まで遡ります。
怪我をした鶴を旅人が助けた所、「この佐波古の湯を開くべし」との御告げを記した巻物が授けられ、この地に温泉を開いたのが始まりといわれています。
後の延長5年(927年)の延喜式神名帳には記録があり、 「道後温泉」、「有馬温泉」と共に「日本三古泉」とも呼ばれていました。
戦国時代には岩城氏、佐竹氏、田村氏などの領主の統治を受け、湯治場として利用されてきました。
永正年間(1510年)には常陸の佐竹義舜と岩城盛高、天正11年(1583年)には佐竹義重が湯本に湯治に訪れています。
江戸時代の延享4年(1747年)には幕府の直轄地、すなわち天領となった後は、浜街道の温泉宿場町として発展してきました。
明治維新を経て近代化が進むと、当地にも大型資本による大規模開発の手が加わる様になり、石炭採掘の炭坑が操業されました。
日本の経済発展と共に炭坑の操業も活発となり、地域経済は大いに繁栄しましたが、炭坑開発の為に大正8年には温泉の湧出が断たれてしまいました。
その後、昭和後期になってからは新源泉からの湧出があり、かつて栄えた温泉街の賑わいを取り戻しています。
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