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東北地方

月岡温泉(新潟県新発田市)【歴史】

東北地方
By: Yusuke Umezawa
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石油の代わりに温泉湧出

「月岡温泉」は新潟県北部、新潟市から東方の越後平野の北部に位置する新発田市の温泉です。泉質はエメラルドグリーン色の含硫黄ナトリウム塩化物泉、泉温50℃、硫黄成分濃度が高い温泉です。新潟市街から車で約40分で、「新潟の奥座敷」とも呼ばれています。米どころ越後の田園風景が広がる地域に温泉街があり、「田んぼに沈む夕湯」は絶景です。

田んぼ

のどかな田園風景の中に旅館、飲食店、土産物屋が建ち並ぶ温泉街が広がっているのはいかにも不自然な印象も受けますが、「月岡温泉」は元々は油田開発の末に発展した温泉地なのです。明治時代に入り富国強兵を目指す日本は急速に近代化の道を歩みましたが、大正時代にはエネルギー確保の為に全国各地で油田掘削が相次ぎました。新潟県でも東山油田と呼ばれる新潟市を中心とした油田開発が進み、現在の月岡温泉がある新発田市でも掘削が試みられました。1916年(大正5年)に何本もの採掘を行った末にようやく掘り当てたのが、石油ではなく温泉でした。石油は結局掘り当てることができずに油田開発は断念されましたが、たまたま掘り当てた温泉に石油業者であった本間氏が湯小屋を建てたのが「月岡温泉」のはじまりです。当初は何もないのどかな田園地帯に突如湧いた温泉を間に合わせで温泉場にしたという感じでしたが、大正末期から昭和時代には新たな源泉開発も進んで各旅館への配湯も整備され、昭和時代の後期になると高度経済成長のインフラ整備により交通の便も改善し、月岡温泉街として発展していきました。

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