大谿川沿いに広がる温泉街
「城崎温泉」は大谿川沿いに湧出する兵庫県豊岡市城崎町の温泉です。
大谿川の両岸に沿って約1㎞ほどに渡って外湯、旅館、ホテル、飲食店や土産物屋が軒を連ねて温泉街を形成しています。
泉質は食塩泉、泉温は37~83℃で、源泉は集中的に管理配湯されています。
小規模な旅館や店が建ち並ぶ温泉街で、川沿いには柳や桜の並木道があり、石造りの太鼓橋が架かる風景は歴史と情緒を感じる事ができます。
「城崎温泉」といえば志賀直哉が事故で重傷を負った際に療養目的で訪れており、その療養中に執筆したのが1917年に発表した短編小説の「城の崎にて」です。
他にも島崎藤村や司馬遼太郎などの数多くの文人墨客が訪れており、「城崎温泉」が「歴史と文学、いで湯の町」と称される所以ともなっています。
城崎温泉の開湯
開湯は平安時代にまで遡り、一羽のコウノトリが湯に浸かって足の傷を癒しているのを発見されたのが始まりとされています。
「城崎温泉」は古今和歌集や南北朝時代の歴史物語「増鏡」にも登場しており、約1400年の歴史がある温泉です。
名物の外湯巡り
「城崎温泉」の名物は何といっても7軒ある外湯巡りです。
温泉街には7つの外湯があり、駒下駄を履いた浴衣姿の観光客が外湯を巡ってカランコロンと下駄の音を立てて歩く姿が「城崎温泉」の風景となっています。
与謝野寛は「手拭いをさげて外湯に行く朝の旅の心と駒下駄の春」と詠っています。
外湯は旅館に宿泊すれば無料で利用できますが、1日入浴券を購入すれば日帰りでも全ての外湯を利用できます。
1つ1つの外湯でも入浴券を販売していますが、7つの外湯全てに入浴できる1日入浴券の方がお得です。
とはいえ1日入浴券があるからといって全ての湯に必ず入らなければいけないわけでもなく、一部の外湯が定休日の場合もありますので、ご自身の体力や時間、都合に合わせてご利用される事と良いと思います。
7つの外湯は七つの福を招くといわれており、それぞれの外湯に入ればご利益があるとされています。
「鴻の湯」(幸せを招く湯)は夫婦円満、「まんだら湯」(一生一願の湯)は商売繁盛、五穀豊穣、「御所の湯」(美人の湯)は火伏防災、良縁成就、「一の湯」(開運・招福の湯)は合格祈願、交通安全、「柳湯」(子授けの湯)は子授安産、「地蔵湯」(衆生救いの湯)は家内安全、水子供養、「さとの湯」(ふれあいの湯)は自然回帰といったご利益があるといわれています。
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