火山堆積物の原野の中で生まれた温泉地
「強羅温泉」は早雲山北東の斜面の火山性堆積物の原野に広がる神奈川県足柄郡箱根町強羅の温泉地です。
元々は神奈川県足柄郡箱根町の神山の火山活動により形成された堆積物に覆われた原野で家屋も一つもありませんでしたが、明治以降の開発で急速に温泉地として発展しました。
温泉は明治時代に神山北部の大涌谷と早雲山から源泉を引き湯して利用するようになりました。
温泉は単純泉、塩化物泉、炭酸塩泉、硫酸塩泉の4種類ですが、泉質は9種類になります。
源泉数は46か所で、泉温は30℃~95℃。
尚、強羅駅は箱根登山鉄道の終着駅、ケーブルカーの始発駅になっています。
強羅温泉の歴史
明治21年(1888年)に最初の開発が始まり、明治45年(1912年)に温泉付きの別荘地として分譲され始めました。
以後、高級分譲地として名のある文人や財界人が別荘として購入し、大正時代には箱根登山鉄道やケーブルカーの開通もあって発展しましたが、現在は旅館やホテルも増えて保養地としての「強羅温泉」が形成されています。
また、毎年8月中旬には大正10年(1921年)から続く強羅夏祭りが開催され、明星岳の山頂近くで大文字焼きが行われます。
他にも約2千発の打ち上げ花火、仕掛け花火、スターマインなど豪華で美しい花火が強羅の夜を飾ります。
強羅(ごうら)温泉の由来
「強羅(ごうら)」の名前はその地形によって名付けられたと考えられます。
大きな岩がごろごろしていたので「ごうら」、岩がむき出しで転がっていた土地なので梵語で「石の地獄」を意味する「ゴーラ」とも、原野を俯瞰してみると亀の甲羅のようだったので「ごうら」と呼ばれたともいわれています。
地盤が固く岩が多いので農業には不向きで人が定住するような土地ではありませんでしたが、開発によって温泉がある別荘地として発展したというわけです。
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