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東海地方

修善寺温泉(静岡県伊豆市)【開湯と歴史】

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修善寺川の川岸の温泉地

「修善寺温泉」は伊豆半島の伊豆市北部の修善寺川(桂川)の両岸に広がる温泉地です。

修善寺川(桂川)の両岸約1kmに渡って二十軒以上の風情のある旅館が立ち並んでいます。

「修善寺温泉」は伊豆半島最古の温泉で、日本百名湯にも選出されています。

修善寺
修善寺 / by fujitariuji

修善寺温泉の発祥・由来

「修善寺温泉」は平安時代の807年に弘法大師が発見したとされ、「修善寺」の地名の由来となった「修禅寺」は弘法大師が開基したとされています。

「修禅寺」の門前に「修禅寺温泉」の温泉街が開けており、温泉は寺の歴史と共に歩んできたともいえます。

独鈷の湯‐弘法大師が開湯

「修善寺温泉」には「独鈷の湯(とっこのゆ)」と呼ばれる弘法大師が湧出させたとされる温泉があります。

現在でも修善寺川(桂川)の川の中に施設が残っていますが、安全面等の問題から入浴はできず、最古の温泉史跡として「修善寺温泉」の象徴的存在となっています。

「修善寺温泉」の歴史は「独鈷の湯」から始まったといわれ、「独鈷の湯」は文字通り弘法大師が仏具の一つである「独鈷」を用いて岩を砕いたら湧出したとされる温泉です。

ある時弘法大師が修善寺川(桂川)の付近を歩いていたら、川原で病気の父の体を洗っている少年を見かけました。

弘法大師は「川の水では冷たいだろう」と声を掛け、先端が尖った金属でできた仏具の「独鈷」を使って川原の石を砕いていくと、温泉が湧き出たそうです。

弘法大師は少年に父を湧き出た湯に浸ける様に勧め、温泉に浸かった病父は長年患ってきた病が癒えたとのことです。

この温泉が「独鈷の湯」として「修善寺温泉」の最初の温泉となり、後に「修善寺川」周辺で温泉が開発されていく事になります。

現在でも毎年4月21日の春季弘法忌では弘法大師が開湯した「独鈷の湯」を汲む「湯汲み式」が行われています。

修善寺 独鈷の湯
修善寺 独鈷の湯 / by fujitariuji

源氏の悲劇の地「修善寺」

修善寺は「修善寺温泉」として有名な地ですが、源氏に縁の深い地としても知られています。

2000年に人工的に復元された外湯の一つである「筥湯(はこゆ)」は実は鎌倉幕府二代将軍源頼家が入浴中に暗殺された湯といわれています。

源頼朝の嫡男として二代将軍に就いた頼家でしたが、北条氏との政権闘争に敗れ「修禅寺」に幽閉されてしまいました。

幽閉された翌年の元久元年(1204年)7月に、頼家は「修禅寺」の門前にあった「筥湯」にて北条時政の刺客に討たれたのです。

北条氏と政権闘争をして縁を切る事にもなった頼家でしたが、北条政子は23歳の若さで非業の死を遂げた息子の不憫を思い、冥福を祈って「指月殿」を建立しました。

また、頼朝の異母弟である源範頼は1193年に頼朝に謀反の疑いをかけられ、「修禅寺」に幽閉されてしまいます。

それから疑いの晴れぬままに暗殺されたとも自害したとも伝えられています。

頼家の墓は「修禅寺」の向かいの「鹿山(しかやま)」の麓の「指月殿」の隣にあり、範頼の墓は温泉街の西北の山腹にあり、今もひっそりと源氏の悲劇を伝えています。

修善寺
修善寺 / by fujitariuji

筥湯(はこゆ)

かつて桂川沿いに7つあった外湯「独鈷の湯」、「筥湯」、「新湯」、「河原湯」、「石湯」、「乳児の湯」、「杉の湯」で現在まで残っているのは独鈷の湯だけでしたが、筥湯(はこゆ)が平成12年(2000年)に復活してオープンしました。

内湯のみのシンプルな浴場ですが、アルカリ性単純泉のれっきとした温泉です。

建物には檜がふんだんに使われており、天井も壁も檜でロッカーも檜造りで、檜造りの浴槽は10人以上は入れそうな大きさです。

入浴料は小学生以上が350円。旅館組合に加盟している旅館の宿泊者は宿にて割引券を購入すれば150円で入浴できます。

筥湯の隣には展望所の「仰空楼」(入場無料)が設けられており、3階の階段を上がれば修善寺の街並みを一望できます。仰空楼の由来は修善寺を愛した夏目漱石の漢詩ちなんで付けられました。

日帰り入浴・温泉

修善寺温泉には桂川沿いに旅館が建ち並んでいますが、それらの旅館の一部では日帰り入浴が可能です。

ブリーズベイ修善寺ホテルでは初代社長が自らドリルを使って岩山を削って造った岩窟風呂があります。

岩窟の内部は温泉の湯気で包まれてまるでサウナの様です。

他にも伊豆石を使った岩風呂「桂谷岩風呂」や昭和36年から存在する野天風呂「満天星風呂」があります。

ねの湯対山荘は創業60年の3代続く旅館で、士山の溶岩石と伊豆石を使用した天然温泉の内湯と露天風呂があります。

ラフォーレ修善寺は50万坪の敷地にゴルフ場やテニスコートなどの各種スポーツ施設、会議場、結婚式場、温泉などを備えた総合リゾートホテルです。

温泉には天城連山が見える内湯、露天風呂、サウナがある大浴場「森の湯」と混浴の水着着用ゾーン、男女別の内湯、岩盤浴がある「温泉スパ」があります。

宙SORA渡月荘金龍は竹林の小径の南西にある1万5千坪の敷地を有する温泉旅館です。

内湯、露天風呂、貸切風呂がありますが、空間デザイナーの辻村久信氏による露天風呂「光の露天風呂」と「夕焼けの露天風呂」が有名です。

「光の露天風呂」は夜間はガラスの浴槽がライトアップされて、周囲の暗闇の中でまるで宙に浮かんでいる箱舟にいるかのような感覚を味わえます。

日帰りの場合は残念ながら夜間は入浴できないのでその感覚は味わえませんが、日中でも周囲の開放的な自然を眺めながら入浴できるのでまた違った感覚が味わえます。

ホテル滝亭は1200年の歴史がある去留庵(きょりゅうあん)の湯を源泉とする温泉を持つ大型観光ホテルです。

修善寺地区では最大級の大浴場の内湯と露天風呂が自慢です。

端の里○久旅館は竹の小径遊歩道の終点付近の桂川沿いにある温泉宿です。

宿には男女別大浴場、露天風呂、ジャグジー、寝湯、うたせ湯、サウナがありますが、日帰り入浴の場合は予約が必要です。

知足の湯は修禅寺の正面の虎渓橋の傍にある茶屋「一石庵」の脇にある足湯です。

足湯ですが利用料は100円と有料で、一石庵の利用者なら無料で利用できます。

知足の湯の案内板には日頃お世話になっている足に感謝して足湯にゆったりと浸かって満足を知るとの意味で「知」「足」の湯と名付けたと記されています。

河原湯は桂川沿いの独鈷の湯の前にある足湯です。昔、共同浴場の河原湯があった事から名付けられました。平成22年4月に完成。無料で利用可能で、1度に5~6人ほどが利用できます。

修善寺温泉観光マップ

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