四万の病に効く温泉
「四万温泉」は群馬県北西部の新潟県境の周囲を山々に囲まれた四万川沿いの渓谷に湧き出る群馬県吾妻郡中之条町の温泉です。
四万川の清流に沿って約3キロに渡って源泉が湧出しており、温泉街が形成されています。
四万川の上流から下流に向けて、日向見、ゆずり葉、新湯、山口、温泉口の5つの地区に温泉街が分かれています。「四万温泉」は「四万の病に効く」霊泉といわれる伝説があり、その名が付けられました。
「上毛かるた」では「世のちり洗う四万温泉」とも歌われています。1954年には「酸ヶ湯温泉」、「日光湯元温泉」と共に国民保養温泉地の第1号に指定されています。
又、「草津温泉」、「伊香保温泉」と共に「上毛三名湯」とも呼ばれています。
開湯伝説・歴史
「四万温泉」には開湯伝説が2つあります。
一つは坂上田村麻呂による発見説、もう一つは源頼光の家臣の碓井貞光による発見説です。
8世紀の桓武天皇(737~806)の時代に征夷大将軍の坂上田村麻呂が蝦夷征伐で立ち寄った際に温泉を発見したといわれています。
また、一条天皇の時代の永延3年(989年)に源頼光の家臣碓井貞光が夢で一人の童に会い、「私は土地の山神。お主に四万の病を治す霊泉を授けよう。」とのお告げを受けたとされています。
翌日、夢から覚めた貞光は温泉を発見し、お告げにちなんで「四万の郷」と名付けた。
「四万の郷」は現在でも共同浴場「御夢想之湯」として利用されており、源泉は今も湧き続けています。
共同浴場
四万温泉の日向見地区にある「御夢想之湯」は共同浴場として無料で利用できます。
2006年に改築され、現在は木造の湯屋造りで男女別の浴槽があります。
浴槽は黒御影石をくり抜いた2~3人で一杯の大きさですが、空いている時間帯を狙えば個室のような気分を味わう事もできます。
「御夢想之湯」の隣には慶長3年(1598年)に創建された国の重要文化財の「日向見薬師堂」があり、また無料の日向見薬師の足湯もあります。
他にも共同浴場では「河原の湯」、「上之湯」があり、足湯にはり国民宿舎前の「ゆずりは足湯」、山口地区の「香茶房おきなや足湯」があります。
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