野沢温泉の外湯・共同浴場(長野県下高井郡)

共同浴場


Nozawa spa – Ooyu / tsuda

野沢温泉」の魅力の一つともいえるのが温泉街に点在する共同浴場の「外湯巡り」です。「野沢温泉」には「外湯」と呼ばれる共同浴場が13箇所あって、いずれも温泉街の中にあって歩いて巡る事ができます。共同浴場は江戸時代から続く湯仲間という制度による「地縁団大法人野沢組(惣代)」によって運営・管理されており、地元民だけでなく、一般の宿泊客や日帰りの観光客でも一緒に利用できます。入浴料は原則的には無料ですが、各浴場には賽銭箱があって寸志が入れられる様になっています。

13の外湯とは大湯(惣湯)、河原湯、秋葉の湯、麻釜の湯、上寺湯、熊の手洗場、松葉の湯、中尾の湯、新田の湯、真湯、滝の湯、横落の湯、十王堂の湯です。13の外湯の中で温泉街の中心部の大湯通りにあって外湯の代表的存在となっているのが「大湯」です。昔の村落共同体ともいえる「惣」から名前と取って、地元では「惣湯」とも呼ばれています。建物は平成6年(1994年)に新築しましたが、江戸時代の雰囲気が伝わる湯屋建築の浴場となっています。専用の駐車場はないので、300メートルほど離れた野沢温泉村有料駐車場を利用すると良いです。4月から11月まで5時から23時、12月から3月は6時から23時まで開館しています。代表的存在の「大湯」には薬師三尊が祀られており、他の外湯には十二神将が祀られています。浴場は脱衣所と浴室が一体となっており、浴槽は「ぬる湯」と「あつ湯」の2つがあります。「ぬる湯」とはいっても実際はかなり熱い場合が多く、「あつ湯」はその上を行く熱さの事が多いようです。源泉かけ流しとなっているので加水するのは気が引けるのですが、無人の場合や他の入浴者が同意すれば加水して温度を下げる事もあるそうです。又、石鹸やシャンプーなどの備品はないので全て持ち込みが必要です。

 

「河原湯」は昔は渓流沿いの凹地河原にあった事が名前の由来で、朝入るとさっぱりするので朝湯の河原湯と呼ばれています。入口には薬師如来の眷属真達羅大将が祀られています。浴場は脱衣所と浴室が一体となっており、脱衣棚、貴重品箱、棚の下に下足入れがあります。湯船は6人ほどが浸かれる御影石造りの浴槽の内湯が1つあります。時間帯や混雑状況によって浴槽の温度は変わりますが、源泉温度は64.1℃となっており、概ね熱めの風呂となっています。

「秋葉の湯」は温泉街の中心部から離れた「おぼろ月夜の館・斑山文庫」の近くにあります。秋葉の湯はコンクリート造りの建物で、十二神将の伐折羅大将が祀られています。浴場と脱衣所はガラス戸で仕切られて別々になっており、浴槽は2.5m四方の正方形で4~5人が入れるサイズです。源泉は大釜を使用し、温泉と冷泉の2種類を引いているため、温度が熱い場合は冷泉使用する事で温泉の濃度を下げずに温度調節ができます。温泉は日時によって白く濁っていたり、薄青色又は薄緑色の場合もあります。

「麻釜の湯」は国の天然記念物「麻釜(おがま)」を源泉とし、麻釜通りの麻釜の前の坂道を100mほど下った所にあります。浴場と脱衣所は一体となっており、床・浴槽共に石板造りで浴槽は4人ほどが入れるサイズです。

「上寺湯(かみてらゆ)」は麻釜より引き湯した歴史がある共同浴場です。昔ながらの木造の湯小屋の中は浴場と脱衣所が一体となっています。4人ほどが入れる御影石造りの浴槽があり、熱い源泉がかけ流しとなっています。日時によって湯の色は無色透明、白濁、もしくは薄緑と変化しており、温度も加水した場合などの状況に応じて変化しています。

「熊の手洗湯(くまのてあらゆ)」は手に怪我をした熊が湯で傷を癒したといわれる温泉で、野沢温泉発祥の湯ともいわれています。昔は「手洗湯」、「照湯」、「寺湯」とも呼ばれていました。源泉は数十メートル離れた薬師堂の裏から「熊の手洗湯」が湧いていますが、1847年の善光寺地震で泉温が下がった事から、麻釜の源泉からも湯を引いています。「熊の手洗湯」の温湯と「麻釜」の熱湯の2種類の源泉を使用する事で湯船は他の共同浴場と比べて入りやすい温度になっています。浴槽は2つに仕切られていて一方は45℃位の熱湯で、もう一方は42℃位の丁度良い温度となっています。

「松葉の湯」は2階建ての木造湯屋造りの共同浴場で、1階に洗濯室と機械室、2階に男女別の浴室があります。1階の外壁は石を組み合わせた城壁の様な外観になっていて、2階の木造部分と合わせてまるで小さな城の様に見えます。昔矢場があった事から訛って松葉になったといわれています。1階には温泉を張った湯船があって地元の方々が野菜などをあらったりします。2階へ上る階段の脇には温泉卵を作る専用の箱があって、中に張った温泉の中に卵などを浸けておけば、温泉に入っている間に茹で上がっています。源泉は大釜、83℃の含硫黄‐ナトリウム・カルシウム・硫酸塩温泉(低張性アルカリ性高温泉)で、無色透明又は白濁した湯になっています。浴室は脱衣場と仕切られていて、浴槽は4人ほどが入れるサイズです。

「中尾の湯」は温泉街の中心から最も離れた住宅街の中にある共同浴場ですが、野沢温泉にある共同浴場の中でも最も大きい木造湯屋建築です。源泉は麻釜源泉。共同浴場の代表的存在の「大湯」を上回る大きさの湯屋建築は大湯から南西へ歩いて15分ほどの場所にあります。浴室と脱衣場は一体となっており、浴室の中央に5×2.5mほどの2つの仕切られた木造の浴槽があります。2つに仕切られた浴槽は46℃の「あつ湯」と43℃の「ぬる湯」に分かれていますが、「ぬる湯」といえどもかなりの熱さです。

「新田の湯」は幕末に開拓された比較的新しい湯で、西ノ宮神社の裏手にあります。源泉は麻釜の茹釜・下釜の混合泉で、泉温は81.9℃。浴室は脱衣所と仕切られており、タイル張りの浴室には5~6人サイズの丸みを帯びた長方形の浴槽があります。

「真湯」は温泉街の北、つつじ山公園の入口にある共同浴場です。2006年に建て替えており、綺麗な外観が目立ちます。浴室はタイル張りの床に4人サイズの浴槽があります。「真湯」は別名「五色の湯」とも呼ばれており、時間によって無色透明、乳白色や薄緑色といったふうに湯の色が変わります。湯の中には大量の黒い湯の花が含まれており、温泉成分がふんだんに入っているのがわかります。

「滝の湯」は「麻釜」から坂道を上った先の温泉街の北東の端にある共同浴場で、共同浴場の中でも最も高い所にあります。木造の湯小屋には十二神将の毘羯羅(びから)大将が祀られています。浴室は脱衣所と一体になっていて、床も浴槽もタイル張りです。浴槽は3人ほどの一杯のサイズで、78℃の薄緑色の瀧の湯源泉が投入されています。

「横落(よこち)の湯」は横落信号機のある横落交差点脇の建物の1階にある共同浴場です。入口には十二神将の珊底羅(さんてら)大将が祀られています。隣には有料駐車場の中央ターミナルとスキーシーズン以外の夏季無料の横落パーキングがあります。建物の2階には民宿組合案内所があります。源泉は麻釜の茹釜と下釜の混合泉で、泉温は81.9℃。浴室は脱衣所と仕切られていて、男湯は四角形の浴槽で女湯は円形の浴槽になっています。

「十王堂の湯」は閻魔堂の前にあるコンクリート造りの2階建ての共同浴場です。「十王堂」は閻魔堂に祀られた十尊から名付けられました。1階は女湯、2階が男湯となっており、外には地元民専用の洗濯場と観光客でも無料で使用できる温泉玉子場があります。生玉子を持参すれば20分から25分で美味しい温泉玉子の出来上がりです。源泉は麻釜と湯ノ宮から引き湯しており、泉温は78.2℃です。浴室は脱衣所と一体型で、タイル張りの床に黒御影石の縁取られた浴槽は6~7人が入れる大きめのサイズです。

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